社会人も通信制大学に行って大卒資格を取ろう!

社会人になってから自分自身と会話し、自分に対する気づきを得ながらも、振り返ってこなかったキャリアやあえて目をつぶってきた自分の弱み、残念な部分、人に負けない強み、伸ばしたい部分など、社会人になってようやく落ち着いてきた今だからこそ、しっかり見つめる時間が出来たのではないでしょうか。

これまで、将来の夢や明確にやりたいことが無かった人、勉強をしなかった人、大学に行けなかった人、昇進や転職で学歴ハンデを感じた人、忙しいを理由に学びを後回しにしている人、いろいろな人生があり、とりあえず、試行錯誤でその時にできることにチャレンジし、昨日までやらなかったことを今日やってみることのほうが、比べものにならないほど大切であると思います。

最近「リカレント」や「学び直し」というキーワードがよく目に付くようになり、社会人が学び直しとして、仕事や生活をしながらでも通信制の大学に入学することが可能です。

通信制大学は、充実したカリキュラムが詰まった、正規の大学。

仕事や生活などで毎日忙しい社会人でも、時間や場所の制約にとらわれずに、自分らしい日々を大事にしながら、質の高い学びを得ることができます。

「大学」といえば現役重視の文化という固定概念がありますが、社会人になってから大学に行くという価値を、少しでも広めていきたいと思います。

リカレント教育とは

「リカレント(recurrent)」は、元々、スウェーデンで提唱された言葉です。「繰り返す」「循環する」という意味で、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、「生活」と「仕事」と「教育」の3つを超並列に進めることです。社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルを学ぶため、「社会人の学び直し」とも呼ばれます。

教育を受ける場は、大学や大学院、専門学校に入学したり、資格取得の講座を受けたりとさまざまです。広い意味では独学も含みますが、限られた時間の中で成果(資格)を得るため、どこかで学びを受けることになります。

学生のころと違って、年齢制限もなく、期間や方法をすべて自分で選択できる点。逆にいうと、仕事や生活と両立する手立てを含め、自ら決めなくてはいけません。

将来の目指す道や現在のポジションによって学ぶべき内容に違いはあるでしょうが、学びの必要性は同じで、働く意志がある間は、何歳になっても学び続けるのが理想です。

社会人が大卒の資格(学士号)を取得するには

転職など気になる求人の応募条件が「大卒以上」であったり、勤務先の中で「大卒者が昇進した」「大卒者のマウンティングやハラスメントにあった」など大卒資格(学士号)を持っていないこと対する学歴コンプレックスを感じる人は少なくありません。

そもそも大卒資格とは、大学で必要な単位(124以上)を取得し、一般的に4年間(短大資格あれば最短2年間またはそれ以上)で卒業した際にもらえる称号「学士」の学位、もしくは学士号を得ることを言います。

これは一般の大学でも、通信教育を行う大学でも同じ資格を得ることができます。学期ごとに履修できる単位数が決まっていることが多く、計画的に単位を取らないと4年間で卒業できない可能性もありますが、社会人が会社に勤めながら大卒資格を取る方法について紹介します。

会社に通いながら大卒資格を取得する方法は3つある
  1. 通信教育を行う大学で単位を取得する
  2. 夜間の大学(大学二部)に通う
  3. 大学改革支援・学位授与機構を利用する(大学を中退した人、短大・高専を卒業した)

①通信教育を行う大学で単位を取得する

社会人として働きながら大卒資格を取得する最も簡単方法が、通信教育を行う大学で単位を取得する方法です。

通信教育を行う大学の授業形式は、テキストやドリルなどの教材を使って自ら計画して学ぶ自己学習が中心で、補助的に教室での対面授業(スクーリング)が行われます。

最近では、対面授業に代わってインターネットを利用した授業を導入する大学も増えてきています。

通信教育を受けられる大学は、以下の2タイプに分けられます。

  • 通信教育課程のみ設置した大学・・・放送大学、サイバー大学など
  • 私立大学に通信教育課程を設置・・・法政大学、慶應義塾大学など全国に約30校くらい

全国の通信制大学について、「通信制大学一覧」を参照しください。

②夜間の大学(大学二部)に通う

大学の夜間コースは、講義が18:00以降にスタートするところが多いです。1回90分の講義を18時頃から毎日2〜3個受ける必要があるため、大学に通学でき、毎日、定常的なスケジュールの人が向いているでしょう。

③大学改革支援・学位授与機構を利用する(大学を中退した人、短大・高専を卒業した人のみ)

大学改革支援・学位授与機構とは、大学以外の機関で学位を授与することのできる唯一の機関です。短期大学・高等専門学校の卒業者や専門学校の修了者等に対し、学士の学位を授与しています。また、機構認定の省庁大学校の修了者に対し、学士・修士・博士の学位を授与しています。

詳しくは、独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構を参照してください。

社会人学生だからこそのメリット

社会人が通信制大学で学ぶことについて様々なメリットがあります。

「業界のプロとして認められる」「課題解決のために学べる」「時代に合わせて自分をアップデートできる」「自分の価値を高められる」「可能性を広げられる」「将来の選択肢を広げる手段となれる」

学ぶことで知識だけでなく、自信を得て未来の自分にワクワク楽しみになります。

そのほかにも4つのメリットを紹介します。

社会人が通信制大学で学ぶ4つのメリット
  1. 新しい学友ができ、人脈が広がる
  2. 勉強する目的を明確に持ち、前向きに勉強に取り組める
  3. 新しい道が開ける
  4. 学割が使える

1.新しい友人ができ、人脈が広がる

社会人になると職場や趣味、地域、子供を通じた関係などの人脈が形成されますが、新たに幅広い年代の同級生や教授という人脈を作る機会が増え、身の回りの関係だけでは出会えない様々なバックグラウンドを持った社会人学生と知り合うことができます。同級生という立場のため、どんなに年齢が離れていても対等な関係となります。

2.勉強する目的を明確に持ち、前向きに勉強に取り組める

社会人の学び直しは、これまでの24時間の生活スタイルを変革させ、新たに学ぶ時間を創出するという大きな決断です。平日であれば睡眠時間7時間、仕事時間8時間、移動2時間、食事や身支度など3時間を除いた、残りの4時間程度をどう使うかです。最近、在宅勤務も主流なので、その分、学ぶ時間も創出できるのではないでしょうか。

学び直しの決断ができれば、専門性を深めたり、資格取得などと将来への目的が明確となり、モチベーションが高くなり、勉強への取り組み姿勢も自然と積極的になります。

10代の頃「勉強していれば」と耳にしますが、何の意味はなく、むしろ今から行動に起こしましょう。

3.新しい道が開ける

社会人になると生活や仕事の知識や経験、スキルを蓄積することができますが、教養については、体系的に知識を整理することができず、経験やスキルを伸ばすことが困難になります。
学び直しによって、生活や仕事では得られないスキルや知識を習得することが可能となり、効率化が図れます。
通信教育を行う大学を検討した場合、「4年間」という先が長く頓挫してしまいますが、過去4年を振り返ればあっという間であったのではないでしょうか。この期間で新たな出会いや機会を増やし自分の価値を磨くことができます。
社会人であれば、これまでの経験から、具体的になりたい姿をイメージしながら学ぶことができます。

4.学割が使える

通信制大学に入学すると学生証が発行されますので「学割」が使えます。

もっとも代表的なのは電車やバスなどの「定期券」です。社会人であれば「通勤定期券」ですが学生証の提示によって「通学定期券」が購入可能となります。年齢制限は特になく、自宅と大学と勤務先の三点が可能な場合もありますので、詳細は、交通機関にお問い合わせしてみてください。

その他、飛行機、フェリー、バス、映画館、博物館、美術館、テーマパーク、Apple(MacとiPad)、Microsoft(surfaceOffice製品)、Amazon、パソコンメーカー(DELLLenovoNEC富士通など)、AdobeTableau(1年無料)などお得に活用できますので、各社のWebサイトを確認してみてください。

ソラシドエア(Solaseed Air)は、「ヤング割」があり、「満12歳以上、満22歳未満 OR 学生」が条件ですが、22歳上の社会人でも「学生」に該当するので、ヤング割が使えます。

通信制大学の噂と事実

通信制大学・短期大学にまつわる様々な噂について

大学入試がない

基本的に書類審査のみで、入学資格を確認するところがほとんどです。また、面接や志望動機、小論文などの提出もあるところがありますが、通学課程に比べ、入学資格審査で入れるところがほとんどです。たいてい、入学金と学費を振り込めば入学できると思います。

合格通知・学生証が発行される

書類審査に合格すると入学許可通知や学生証が発行され、学習を始めるための事務手続き資料や補助教材、学校に関する資料、単位取得の説明資料など卒業までの情報が届きます。通信制大学は、スクーリング以外、基本的にキャンパスに行かないので所属意識が希薄になりがちですが、学生証を手にすると大学の学生なんだと実感が湧き、感慨深いです。また、学生証を持っていれば、学割にも使えるのでとてもお得です。

入学式・卒業式がある

通信制大学の入学時期は、4月入学(前期生)と10月入学(後期生)があり、それぞれ出願スケジュールの条件によって、入学式へ任意参加することが可能です。社会人になっても入学式に参加できることは、ピカピカの1年生になれるので初心に戻れる気分でとてもワクワクします。

卒業式の参加は任意ですが、学位を授与できるので出席する方が多いです。

なんとなく入学できる

通信制大学はなんといっても受験勉強がないので、なんとなく入学できるところでしょう。学び始める動機は曖昧でも大丈夫です。大卒資格を取りたい、法律を学びたい、教員免許を取りたいなどざっくりな目的意識があれば、自分でテキストを読み進める通信学習をイメージし、主体的に取り組む姿勢を早く身につけ、仕事と生活と学びを両立させながら、波に乗っていくことが大事です。

大学入学は1回だけじゃない

社会人になってから学びを生活の一部として、通信制の大学や大学院を何回でも学ぶことが可能です。法律や経営の知識を学ぶために法学部や経営学部の通信課程に入るなど、これまで取れなかった資格や教員免許を取り直すことも可能です。

オンラインで卒業できる

学校によっては、100%オンラインで卒業できるところもあります。テキスト教材を読み、リポート提出と単位習得試験を行なったり、定期的にスクーリングで単位を取ることも学校もあります。

レポートの添削してくれる

記述のレポートを提出すると文章の添削だけではなく、コメントもあるため、それを読むとモチベーションが上がります。会社では上司からの添削などよりも、丁寧にフィードバックしてもらえるため、自分の弱みも理解することができます。

SNSの交流も盛んで孤独じゃない

学校によって学生会やSNSなど情報交換の場が多く、効率的な学習の進め方や試験対策、勉強方法など情報がたくさんあります。Twitterなどでも別垢(別アカウント)を作り、入学から卒業にむけた情報発信しているかたも多くいます。

就職・転職でも大卒扱いされる

通信制大学卒でも、正規の大学のため、「大卒」となります。むしろ社会人の方が、目的意識があり仕事をしながら勉強しているため評価が高くなります。

まとめ

社会人が仕事や生活をしながら大卒資格を取るには通信制大学に入学し、卒業する方法が最も効率的で普段の仕事や生活だけでは見えない新たな”何か”をつかめることでしょう。

忙しいあなたが、せっかく学ぶなら、自分のこれからの力になるものを選び、社会人こそ学び直しましょう。