法政大学 通信教育部 入学から学習までの流れ

法政大学通信教育部は、通信学習による大学として長い歴史があり、明治時代の1885年に法律学の議事録を刊行したことに端を発し、1947年に日本で初めて大学通信教育課程として設置された「正規の大学」です。

卒業すると、大卒資格である「学士号」を取得することができます。

「通信教育部」や「通信教育課程」の名称に「通信」という言葉がありますが、今時のパソコンとインターネットだけで完結する意味では無く、自宅やカフェ、スクーリング、インターネット、試験会場などに出向き、自ら卒業までの単位修得計画を立てながら学習していきます。

①通信学習(自宅やカフェなどで指定教本を熟読し、リポートを書いて郵送で提出する)
②スクーリング(市ヶ谷キャンパスや地方都市で開催される会場で講義を受ける)
③メディアスクーリング(自宅やカフェなどでインターネットを使用し講義を受ける
④単位習得試験(全国で開催される会場に行き、試験を受ける)

教材は、単位修得科目によって、大学からの配本や大学生協やAmazon、書店などで自費購入があります。

大学とのコミュニケーション手段は、定期的な郵送物(法政通信)、インターネットの大学ポータルサイトを参照しながら、進めていき、不明点などあれば、相談窓口も用意されているので、意外と安心できます。

最初は慣れるまで孤独感があり、自ら積極的に情報を取得することが大変かと思います。

様々な年齢や職業、生涯学習を目的にしたり、学士資格の取得を目的とした社会人など、幅広い年代の人々が在学しており、通信教育部のサークル活動にも参加することもでき、学生生活を楽しむことができます。

1.入学を検討する

社会人が仕事や生活をしながら大卒資格を取るには通信制大学に入学し、卒業する方法が最も効率的で普段の仕事や生活だけでは見えない新たな”何か”をつかめることでしょう。

法政大学の通信教育課程が気になったら、大学のホームページや全国で開催している入学説明会入学案内(願書)資料請求をすると良いです。

また、法政大学の公式ホームページの情報だけではなく、ブログやSNS(Twitter、Instagramなど)の情報も参照すると良いでしょう。

3つの就学コースと編入学制度

本科生:大学卒業資格「学士」の学位を得るコース

本科生には、3学部6学科あり、卒業所要単位を修めて卒業すると学士の学位が授与されます。

  1. 法学部
    • 法律学科
      日本国憲法、生活と民法、財産・契約と法、労働と法、会社法、コンプライアンス、犯罪と刑罰、国際法、行政と法、裁判、市民生活と行政法、企業法令遵守と商法
  2. 文学部
    • 日本文学科
      古典文学、現代小説、文芸史、日本語学、出版編集、日本芸能・文化、芸能史、美術史、社会思想史、書道
    • 史学科
      日本史、東洋史、西洋史、考古学、古文書学、美術史、思想史、宗教史
    • 地理学科
      地理、地誌、地形、気候、水文、植生・生態、環境、都市地理、農業地理、文化地理、歴史地理、経済地理、地図、フィールドワーク、測量士補
  3. 経済学部
    • 経済学科
      ミクロ経済学、マクロ経済学、経済史、統計学、経済政策、国際経済、環境経済、金融・財政、簿記・会計、ファイナンス
    • 商業学科
      企業経営、経営分析、経営戦略、マネジメント、マーケティング、人材・組織、簿記、財務会計、管理会計、税務会計、金融、監査

大学(退学を含む)、短期大学、専修大学(専門学校)、高等学校等専攻科出身の方は、条件によって2〜4年次の編入学も可能ですので、詳しくは、法政大学通信教育部の入学案内を参照してください。

科目等履修生(選科生):学びたい科目を自由に選択できるコース

いずれかの学部学科に所属することになりますが、開校されている科目の中から好きな科目を選んで学習することができます。

科目等履修生(教職生):教員免許状の取得を目指すコース

主に教員免許状取得のために不足科目を履修する方や、他教科免許状の取得希望の方が対象となります。

2.出願から学習までの道のり

法政大学の通信教育課程に「出願」といっても、現役時代のように「入試」はありません。志望する学部によって異なりますが、志願書といって200〜500字程度の小論文を記載するだけとなります。

個人的には、そんなに難しくなく、志願したい気持ちを体系的に文章にできれば良いのではと考えます。

入学案内(願書)は、ホームーページから資料請求してから、到着まで約10日間を見込み、余裕をもって請求しましょう。また、この期間に、住民票や出身校などから必要書類を取り寄せておくと良いです。

時期によって異なりますが、参考までに下記の工程で資料が到着しました。

2/10 ホームページより資料請求
2/14 クロネコDM便にて発送(埼玉県より)
2/17 ポスト投函完了し到着

①募集要項、入学資格等の確認

前期生(4月1日入学)と後期生(10月1日入学)によって、出願期間が異なりますので、法政大学の入学案内資料を熟読しましょう。

2022年の入学案内書類には、「入学案内」「年間学習スケジュール(予定)」「入学志願書1」「志願書2<本科生(日本文学科)用>」「志願書2<科目等履修生(教職生/選科生)用>」「科目登録票」「編入学基礎資格証明書」「ジャックスの教育ローン案内」「出願スケジュール/法政大学通信教育部学則」などが入っていました。

②出願書類の準備

下記の書類が必要になります。記入や書類取り寄せなど、2〜3週間のスケジュールで準備しましょう。

  1. 志願書1(表面と裏面があります)
    • (表面)縦長でミシン目があります。上部から志望する学部学科、個人情報、誓約書、保証人契約書兼同意書、入学諸経費振込依頼書、学生証用写真台紙の記載欄がありますので、必要事項を記入します。
    • (裏面)学歴・学習歴/職務経歴書の記載欄がありますので、必要事項を記入します。
  2. 写真2枚を用意(志願書貼付、学生証用写真台紙貼付)
    • 証明写真として3cm×3cm、カラー、上半身無帽、無背景、マスクの着用はしないでください。
  3. 志願書2 小論文の作成(学科によって異なります。)
    • 法律学科/史学科/地理学科/経済学科/商業学科
      • 志望学・学科で何を学ぼうとしているかを300字以上、400字以内で記述します。
    • 日本文学科
      • 課題図書を1冊読んでその内容について400字以上、500字以内で論評します。また、志望学・学科で何を学ぼうとしているかを200字以内で記述します。
    • 科目等履修生(教職生/選科生)
      • 自己の学習・職務経歴や将来のキャリアデザインなどに触れながら、志望学・学科で何を学ぼうとしているかを300字以上、400字以内で記述します。
  4. 科目履修生のみ、科目登録票の記入
    • 取得希望の免許状の選択、登録科目名などを記入します。
  5. 出身校などからの必要書類の取り寄せ(原本必要、コピーは不可)
    • 1年次入学、2年次入学、3年次入学、4年次入学によって書類が異なります。
    • 「調査書」「卒業証明書」「成績証明書」など各種証明書が必要となります。
  6. 住民票または戸籍抄本(原本必要、コピーは不可)
  7. その他必要書類の取得(原本必要、コピーは不可)

③入学諸経費の振込

入学諸経費は、入学志願書1の振込依頼書(銀行窓口)を利用するか、ATMやネットバンキングが利用できます。振込手数料は、自己負担で分納はできません。

1年次入学は12万円(選考料1万、入学金3万、教育費8万)

2〜4年次入学は14万円(選考料1万、入学金3万、教育費8万、編入料2万)

④出願書類の郵送

出願書類は入学許可・不許可問わず、返却されないため、コピーまたは写真を撮っておくと良いです。

指定の封筒に「簡易書留」で郵送します。到着日がわかるように番号を控えておいてください。

⑤選考

法政大学通信教育部入学選考担当に出願書類が到着すると選考が開始されます。

書類不備がある場合、大学から連絡があるようなので、出願期間中は必ず日中(9時から17時)に電話をとれる状態にしておくと良いです。

⑥入学許可・不許可通知を受領する

入学許可・不許可通知書は、入学案内P36に記載の「入学許可・不許可通知発送日(予定)」のスケジュールに基づいて、志願書1に記載した住所に「レターパックプラス」で発送されます。

「入学許可通知書」には、「学生書番号」「Web学習サービスのIDとパスワード」が記載されておりますので、事前に法政大学のWeb学習サービスを確認しておくと良いでしょう。

他にも「学生証」「ご入学に際しての諸連絡事項」「スクーリングの履修申請手続き等について(ご案内)」「履修・成績通知書※単位認定者のみ」が送付されます。

前期生の第1回出願期間に出願して入学許可を得ると、武道館で開催される入学式に参加することができます。

⑦学習開始

入学許可通知書が発送された数日後には、「補助教材等」が宅急便で届き、その数週間後には教材の「通教テキスト(配本)」が宅急便で届きます。教材といっても、教科書が沢山届くわけでは無く、「数学」や「簿記」の大学指定教材だけが届きます。それ以外の教材は、取得する単位科目によって指定された書籍を大学生協やAmazon、書店などで自費購入します。

さあ、この時点から既に大学生活が始まります。大学の時計は、1秒1秒進んでいます。

『学習のしおり』『通信学習シラバス・設題総覧』を何度も読んで理解し、卒業に向けて計画を練りましょう。

おそらく大半の方が、次に何をすれば良いか迷うところです。

◆補助教材の一覧

「納品明細」「教材配本一覧(本科生)」「学習のしおり」「通信学習シラバス・設題総覧」「自立学習の手引き」「年間スケジュール表」「テキスト入手方法のちらし」「法政通信」「リポートノート一般(2設題用:うぐいす色)2冊」「リポートノート一般(1設題用:びわ色)25冊」「リポートノート簿記Ⅰ(2017年改訂:白茶色)」「リポートノート簿記Ⅱ(2022年改訂:銀ねずみ色)」

※一部の教材は後日配送されます。

まとめ

  • 法政大学 通信教育部 は、正規の大学で卒業すると『学士号』が取得できる
  • 学部学科は、3学部6学科ある
  • 入学案内(願書)の資料請求から学習開始まで、おおよそ3ヶ月かかる
  • 学習開始まで、何から始めるか迷うため、学習のしおりをしっかり読み込む
  • わからないことがあれば、法政大学に問い合わせして、悩みを解消する